あの日見た独身税の意味を僕たちはまだ知らない
タイトルに特に意味はない。面倒なのでホッテントリメーカーを使っている。
課員はこのほか、健康な高齢者が多い自治体では税負担を下げる仕組みの導入や、たばこ税増税などを提案した。
これが少数による多数の支配けぇ……。ラングさんがそう言ってた!
まあ、そういう組織なのだから、こういう提言をするのは仕方ないのだろう。まさか「自分たちに金はあるからじゃんじゃん持っていってよ!」なんて言うはずもない。彼女たちも生活がカツカツだからだ。
つまり。
日本は今や全体が限界集落なのだー!
実際問題、人口が漸減するのがわかっている、いわゆる「老いてゆく国」と考えると、一億総限界集落というのも言い過ぎではないのかもしれない。
あ、一億なんて簡単に割り込むんでした。
そりゃあ、移民を入れたら頭数は揃う。
頭数は、揃う。
その先が問題だ。もはや今までの日本人は死滅するだろう。権利を得た彼らこそが真の日本人になるだろう。少数によって多数を支配せんと目論んでいたはずの人々は、かつてより少数であり、やがてより多数になる人々によって隅っこに押しやられるのだ。
ははは、人がより良く生きようとする力を侮ってはならない。ボーダレスに生きるとはそういうことなのだ。人間の生き様は闘争であり、競争であり、戦争である。「平和は戦争の準備期間に過ぎない」という言説があるが、これでもまだ足りない。「平和は平和という戦争の一形態なのである」とした方が正しいだろう。
「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」
しかし、まあ……。
実際に子どもを育てるのには金が掛かる。それは間違いない。人間というのはコストが掛かるのだ。教育にも余暇にも。豊かな財源がなければ、選択肢は豆腐よりもろく崩れ去っていく。
貧困の再生産が生むものは何だ?
移民さえも鼻をつまんで逃げ出すような「三流国」への転落だ。良かったね。出生率向上行動しか娯楽がないよ!
こうなったら、独身税以上に業が深そうな発想をもって立ち向かうしかない。例えば、そうだな……。
「幸福税」というのはどうだろう?
市民、幸福は義務です。
市民、納税も義務です。
見えてきたものがあるじゃないか。
いたよ! 幸福税を提唱している人が!
でかした!
結局、税金は自分と関係のないところからたっぷり搾り取ってほしいのである。懐が痛まない金というのは愉快だ。それで公共サービスが良くなるなら、ぜひとも取っていってもらいたいと思う。
しかし、忘れてはいけない。徴税人の死神の鎌は、いつだって自分の首筋に向けられるかもしれないのだ。
独身者を排斥し、幸福者を殲滅した後は、いったい何が残るだろう?
義務と怠惰と老衰だけが残る、朽ち果てた宮殿か?
私は頭が回らないのでよくわからない。
ただ、あまり良くない未来が待っているような気がする。
ああ……石油王になって、「税金なんていくらでも払ってやらァ」と言えるようになれればなー!
誰か5000兆円くれればなー!
どんどん壮大さだけが増していくので、この話はここで終わりなのである。
はいはい、やめやめ!