まあお聞き。

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総額980円以内! Kindle Unlimited(読み放題)に逆らったおすすめ作品ジャンル別まとめ

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まあお聞き。

 自慢じゃあない。

 まったく自慢じゃあないんだが……。

 私ゃ、模倣が好きです。特に優れた人の優れた作品を真似するのがね。

 

 だから、なんと開設2記事目にして「模倣」なんてカテゴリを作ってしまいました。

 パクリと模倣の違いは何か?

 いいや、それだけじゃない。

 リスペクトと模倣の違いは? オマージュと模倣の違いは? パスティーシュと模倣の違いは?

 

 それはたぶん一言で表すことができます。

「出来がいいかどうか」

 出藍の誉れでなければ、読者の脳髄を突き刺す二次創作でなければ、それは完全なる駄作として扱われる。

 なので、覚悟持ってその企画、パクらせていただきます。

 今回はイケダハヤトさん「まだ東京で消耗してるの?」より、以下の記事。

www.ikedahayato.com

 小説、漫画、エッセイ。

 それぞれのジャンルから、面白か本ば見せますばい。

「Kindle Unlimited」より面白い世界が、そこに待っている

イケダハヤトさんオススメの中でも特にオススメしたい一作

 Kindle Unlimited……あいにく英語が破滅的にダメな私なので、以後は「キンドル無制限」と呼ばせてもらいましょうか。お、なんかメイプル超合金っぽいぞ。

 同サービスがいかに優れているかは、私が剽窃した元であるところのイケダハヤトさんの記事をご覧ください。そこでオススメしている漫画は確かに面白い!

 例えば、そう、最初に紹介されている「野望の王国」

[まとめ買い] 野望の王国 完全版

[まとめ買い] 野望の王国 完全版

 

 いいですよ、これは。

 なんといってもキャラが魅力的。とりわけ橘征二郎柿崎憲の二人。彼らの強烈な個性はぜひ読んでいただきたい。イケダハヤトさんが「時間泥棒注意」と書いているのは伊達じゃありません。

 隙がない。容赦がない。

 たまらない暴力と暴力の応酬。

 そして、彼らが語る「野望」というものが、たまらなく魅力的に思えてきます。

私が独自にオススメするのはこちら

坊っちゃんの時代 : 1 (アクションコミックス)

坊っちゃんの時代 : 1 (アクションコミックス)

 

 かの「孤独のグルメ」の谷口ジローが描いた名作。

 夏目漱石という人物、彼を取り巻く人々……明治の文学に触れたくなりますよ。

 そして、2巻以降も買い揃えたくなるはずです。

 3巻には借金大王こと石川啄木も登場。

 

 え?

 石川啄木の借金癖をご存知ない?

 いいえ、たとえご存知でも構いません。

 かの憂悶の詩人はきっとこういう人物であったに違いない――と噛みしめることのできる一作に仕上がっておりますから。

 1巻がグッと刺さったなら、ぜひご一考を。

されど私は反逆する

 それでもねぇ、私はあえて言いたいのです。

 キンドル無制限より楽しい世界が広がっているよ、と。

 これはある種、月額980円の同サービスに対する挑戦でもあり、好きなものをただただ一途に愛し続ける者としての慟哭でもあります。

 

 では、前置きがずいぶん長くなりましたが、表題の話をしましょうか。

 amazonが仕掛けてきたこの一手より、さらなる娯楽を与えてくれるであろう選択肢。

 まあまあ、肩肘張らずにお聞きくださいや。

【小説】山田風太郎という巨星

「バジリスク」の原作者と言えば通りは良いのかな?

 山田風太郎という作家の名前、聞いたことがありますか?

 山風の愛称で知られ、忍法帖シリーズで名を馳せた大作家です。

 詳しい人物などはwikipediaに任せてしまいましょうか。

 

  山田風太郎 - Wikipedia

 

 私がやるべきことは本題でしょうから、ここからは脱線抜きで突っ走ります。

 総額980円で1ヶ月は楽しめるであろうチョイスをしましょうね。

 であればこそ、キンアミ(この略称は失敗かな)に向こうを張る甲斐があろうというもの。

Kindle及び書籍のおすすめ

伝奇小説にして推理小説の凄愴美を見よや
妖異金瓶梅  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

 

 Kindle版895円。文庫版967円。

 文庫版は中古本なら749円がありますね。

 596ページという大ボリュームの伝奇小説。

 かの四大奇書の一つに数えられる「金瓶梅」をモチーフにした、とてもおどろおどろしいミステリーが繰り広げられます。

 

 そうだなァ……。

 山田風太郎らしいエログロもあるよ、と言うと語弊がありそうなんですよね。

 

 しかし、美しい

 場面場面で、記憶にまで染み込んでくる描写がある。

 あんなに恐ろしいのに、美的感覚を刺激されるものでしょうか――残酷な殺人現場だというのに。

 

性欲絶倫の豪商・西門慶は絶世の美女、潘金蓮を始めとする8人の妻妾を侍らせ、酒池肉林の日々を送っていた。彼の寵をめぐって女たちの激しい嫉妬が渦巻く中、第七夫人と第八夫人が両足を切断された無惨な屍体で発見される。混乱の中、西門慶の悪友でたいこもちの応伯爵だけは事件の真相を見抜くが、なぜか真犯人を告発せず…?美姫たちが織り成す凄惨淫靡な怪事件。中国四大奇書の一つを大胆に解釈した伝奇ミステリ。

 

 上述の紹介文の通り、巻き起こる事件はまさしく凄惨淫靡。

 もし、あなたがこの本を読みきったならば、潘金蓮というすさまじいキャラクターの虜になっているでしょう。良くも悪くも、ね。

 

引き込まれる、結末に向かって
明治断頭台  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

 

 「山風の明治もの」といえば、普通は「警視庁草紙」を推すべきなんでしょうが……。

 加うるに、警視庁草紙もまた結末が胸に刺さる名作でありますが……。

 たとえ本来は上述の妖異金瓶梅のみを紹介する予定だったとしても、どうしても明治断頭台は入れたかった。

 それくらい、私はこの本にやられてしまったのです。

 

 よく映画で「衝撃の結末が!」なんて煽り文句ありますよね?

 あれ、私ゃ苦手なんですよね。何もハードルを上げることはないって。それどころか衝撃のラストがあるなんて言うのは、自分から「このマジックには種も仕掛けもありますよ」と告白するマジシャンみたいなもの。興醒め、世界に浸れない……。

 しかし、それでもなお、私はこの本を手にとって欲しい。

 山田風太郎という作家の作品に通底するもの、「人間の生き方」というものが、力強く表現されています。そこに至るまでの丹念な積み重ねの果てに、ね。

書籍のおすすめ

 Kindleになくて、文庫版だけある。

 そんな良作を紹介しようと思いました。

 思いましたが……。

 994円! ちっきしょー、誰だ980円なんて縛り付けたの! 私だ!

 というわけで、敗北感に打ちひしがれております。

十三角関係 名探偵篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈2〉 (光文社文庫)

十三角関係 名探偵篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈2〉 (光文社文庫)

 

 いや、ホント、良い本なんですよ。

 名探偵「茨木歓喜」。その型破りな風貌、やり口にシビれます。

 特に表題作である「十三角関係」の……いや、これ以上は語っても仕方ない。

 文庫版の古本で737円(この記事作成時点の最安値)です。

 ただ、送料が257円かかるとはなぁーっ!

Kindle及び書籍のおすすめ(追加)

人間は、怖くて、悲しい
誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

 

 でも、山風推理も紹介したいんじゃー!

 妖異金瓶梅も分類的には推理小説?

 知らんわぁ! あの戦後のどうしようもない雰囲気を味わわせてくれる本が紹介したいんじゃあ!

 と嘆いていたら、私の好きな「誰にも出来る殺人」が新版で登場していました。

 でもね、「夜よりほかに聴くものもなし」と迷ったんですよ。こっちは光文社文庫版が(なぜか)Kindle化されてるし、文庫版も現時点の最安値が199円だし……。

 

 てなわけで、山風先生の話は長くなるのでここまで!

 ああもう、えらいこっちゃ、ここまでで3500字超えとるがな!

 ですが、自重する気はございません。皆々様、今しばらくお付き合いくださいませ。

 

 といっても、小説ほど長くなる予定はござんせん。

【漫画】岩明均に浸れ

Kindle及び書籍のおすすめ

「ヒストリエ」の原型と呼ぶべき作品
ヘウレーカ (ジェッツコミックス)

ヘウレーカ (ジェッツコミックス)

 

 岩明均。

 この名前を聞いて、パッと誰かわかった方。

 ヘウレーカは「買い」です。

 寄生獣。

 この名前を聞いて、パッと何かわかった方。

 ヘウレーカは「買い」です。

 

 岩明先生の漫画は、読むたびに面白くなっていく感覚、これが堪らない。歴史ものだったらその裏まで知れば、倍楽しめる。

 舞台はローマとカルタゴが覇を競う古代地中海世界。いわゆる第二次ポエニ戦争の時代です。

 名将ハンニバル・バルカとスキピオ・アフリカヌスの時代。

 ……の、シチリア島の都市、シラクサが舞台。

 

 1冊完結。現時点でのお値段はKindle版596円、新品コミック版も596円。古本だと1円からありますね。送料別ですが。

 一言で表すならば、「アルキメデスすげぇ」に行き着く作品。

 どうすごいのか?

 そりゃあ読んでのお楽しみ。

書籍のおすすめ

歴史が苦手でも楽しめる、単巻完結歴史漫画の名作
雪の峠・剣の舞 (KCデラックス アフタヌーン)

雪の峠・剣の舞 (KCデラックス アフタヌーン)

 

 佐竹家がお好き?

 結構、ではますます好きになりますよ。さぁさ、どうぞ、佐竹家のニューモデルです。(中略)いい内紛でしょう? 余裕皆無だ。歴史が違いますよ。

 そんな佐竹家マニアにはたまらない逸品。

 

「コマンドーネタはわかっても、佐竹家とかちんぷんかんぷんだ」

 ええ、わかっております。佐竹義重も義宣もご存知ないならば、当然、渋江政光なんて知っているわけがない。

 なので、単純に出来の良いストーリー漫画としてお楽しみください。

 短編2本が収められたこの本ですが、これ1冊で充実した気分になることをお約束しますよ。

 

 読後に残るのは、物語を読み終わったという満足感と、その内容から去来する寂寥感。

 でも――人が生きるとはどういうことか、そうした大それた問いさえ浮かび、また開いて読み直したくなる。

 そういう本です。

【エッセイ】升田幸三、彼の称号は「名人」

 書籍のおすすめ

将棋がわからなくても何の問題もない
勝負 (中公文庫)

勝負 (中公文庫)

 
 とにかくおもろいおっさんのお話
王手 (中公文庫)

王手 (中公文庫)

 

  人生は将棋に似ている―。名人に香車を引いて勝つという伝説を作り、同門の大山康晴と熾烈な戦いを演じた不世出の名人・升田幸三が、人事百般について不羈奔放に語り下ろした随筆集。人間味豊かな語り口の中にあらわれる珠玉の言葉のひとつひとつは、世代を越え、深く感銘を与えずにはいない。

 「私の場合は、将棋指しだから、すべてものごとを、将棋をとおして、みる。人事百般を、盤上の形勢におきかえてみるわけだ」―人生の達人でもあった不世出の棋士・升田幸三が、鋭い観察眼と歯に衣着せぬ語り口で、人事百般を斬る。ここ一番の勝負哲学と珠玉の人生哲学がちりばめられた痛快な大放談。

  あれこれ紹介するよりも、この引用文を読んでいただいた方が早いというお話。

 ひとつだけ話をさせていただくならば……「升田幸三賞」というものが将棋の世界にはあります。そう、この升田幸三さんのこと。

 さん?

 いいえ、実力制第四代名人、とはっきり呼ばねばなりませんね。

 

 ちなみに、かの羽生善治……えーと、今は何冠だっけ?

 とにかくカテゴリや世代を超えた有名人である羽生永世名人は、実力制第九代名人。

 最近ちょいちょいバラエティにも登場する加藤一二三九段は、実力制第六代名人です。

 

 話を戻して、升田幸三賞。

 将棋にはだいたい決まった戦術や定跡があるものですが、そうした既存のものを打ち破る新手や妙手を生み出した棋士に贈られるのが、この升田幸三賞なのです。

 つまり、この升田名人がそういう「既成概念に囚われない破天荒な将棋を打った」からこそ、顕彰の意味も込めて独立した賞が設けられたわけですね。

 

 そんな常識に囚われない、将棋界の頂点を極めた人が書いたエッセイです。

 気になりませんか?

 書き口がね、軽妙なんですよ。それでいて惹かれる。読まずにはいられなくなる。ページを繰る手が止まらない。

 人間的な魅力があふれる文章っていうのは、ああいうのを言うんでしょうね。

掟破りの番外おすすめ

 将棋漫画では1番のお気に入りです
月下の棋士 全32巻完結(ビッグコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]

月下の棋士 全32巻完結(ビッグコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]

 

 仕方ないじゃない! 好きなんだもの!

 というわけで、流れ的に紹介したくてたまらなかった将棋漫画の大傑作。

 実在の棋士をモチーフにした人物たちが、実に彩り豊かに跋扈します。

 

 もちろん、升田名人をモチーフにしたキャラも登場。

 その名も刈田升三。風貌はそのまんま。性格もそのまんま。

 巻末の棋士による解説でも「一番似ている」と言われるほど。

 

「やっぱり漫画の方がとっつきやすくて……」

 

 という方がおられましたら、1巻だけでも良いから試していただけませんか?

 

月下の棋士(1) (ビッグコミックス)

月下の棋士(1) (ビッグコミックス)

 

  Kindle版540円。古本1円からで送料別。

「哭きの竜」を知っている方は……って、あれ読んだことある人はフツー月下の棋士も読んでますわな。

どうか良い知的体験を

 良い創作物との出会いは人生を豊かにします。

 それは小説であろうとエッセイであろうと漫画であろうと、もちろんアニメであろうと変わりません。

 例の炎上案件を抜きにしても、心からそう思います。

www.j-cast.com

 

 あっ、そうだ。

 アニメといえば、これもおすすめの……。

 いかん!

 終わらん!

 

 このままではどこまでも続いてしまいそうなので、本記事はここまでとさせていただきます。

 機会はいくらでもあるでしょうから、また折を見て。

 

 それでは。

 この記事が皆様の新しい出会いになることを願いつつ。