浦和競馬の折笠豊和騎手が引退することが判明
SNSで知る衝撃のニュース
15年間身を置いた競馬の世界を離れ、飲食関係の仕事に就くという。
折笠が引退……!
地方競馬をやる人間にとっては思い入れの深い名前だ。
しかし、決して名騎手ではない。凡騎手中の凡騎手、それが折笠豊和だ。
ゆえにこそ、競馬ニュースとして情報サイトなどに速報されることもなかったのだろう。決して栄光の道を歩むわけでもない。引退後も競馬サークルに関われるような身分でもない。
それでも、彼のことはファンが知っている。ファンが覚えている。
浦和競馬でも特にファンサービスに熱心という評判もあった。苦労人だからこその属性と言えるのかもしれない。
折笠豊和とはどんな騎手か
この記事に精髄が詰まっている。そんな風に感じる。
こちらの記事も参考にすれば、よりわかりやすいかもしれない。
騎手詳細データ | 南関東4競馬場 |nankankeiba.com
その上で、地方競馬全体の公式と南関東競馬の公式を見ていただきたい。
そう、彼は2017年1月27日現在も生涯の勝ち星が4つしかないのだ。
1638戦4勝。勝率はなんと0.2%。わかりやすく武豊の例を挙げると、こちらは19.1%である。まさしく桁が違う。
騎手デビューから1年目、悪くとも2年目での4勝はいないこともない。
だが、彼はそんな時間の壁さえぶっちぎっているのだ。
ふにゃっとしたスマイル
せっかく最初に挙げた記事に「ふにゃっとしたスマイル」とあるのに、ご堪能いただけていない気がする。
なので、こちらの記事はどうか。ふにゃっと感がわかりやすくなった気がする。
デビュー311戦目の初勝利。ハルウララさえも超えたその回数。
ソレ行け!折笠豊和騎手 | 南関魂 高橋華代子の南関東競馬ブログ
それでも、競馬を愛し続けた彼のことは、まさしく記憶に残る騎手として語り継がれていくのではなかろうか。
何しろ、こんな戦績である。
実況スレでは「馬場掃除乙」などと言われることも……というか圧倒的に多かった。大体がシンガリ負けなのである。そういう馬が回ってくるのだ。折笠豊和が求められた役割とは、馬に乗って落ちずに回ってきて、出走手当を稼ぐことだった。
だからこそ、ファンは彼が掲示板に載るだけで驚いたし、3着内にあげようなら歓声をあげた。ついでに悲鳴もあげた。
今年の1月17日の浦和5レースでは「1着:昨年1勝の田中涼 2着:昨年0勝の折笠豊和」という二度と見られないであろう結果も残した。
それももう見られなくなるのだ。
勝つということ、負けるということ
勝つというのはなんと難しいことだろう。
負けるというのはなんと悔しいことだろう。
たとえ1年に1度も勝利の美酒を味わえないとしても、彼は乗り続けた。
ただそれだけで、敬服に値する。
野田トレセン便り パート1 | 南関魂 高橋華代子の南関東競馬ブログ
浦和レッズのサポーターでもある身ながら、今後は浦和競馬のサポーターにもなってくれるという。
競馬界から離れても、ずっと浦和を愛していてほしいものだ。
一つの個性の去り際に、ありがとうとお礼の念を送りたい。