国後島で日本人が拘束されたニュースのロシア側記事を読んでみた
北方四島ビザなし訪問団の通訳がロシア当局に拘束された
記事の通り、国後島古釜布を訪れていたビザなし交流の通訳が拘束され、日本に帰ってこれない状況になっています。
北海道新聞のどうしんウェブではさらに詳しい情報を伝えており……。
1992年の事業開始以降、訪問団員がロシア当局に拘束され、四島から戻れなかったことはなく、外務省も「記憶にない」としている。
と、していますね。
日本国の立場としては、もちろん北方領土は日本固有の領土としていますから、これは結構な事件になるのではないでしょうか。
先述の毎日新聞の記事によれば、これは拘束ではない、と。
同行した外務省職員は「身体の安全は確保されており、拘束ではなく、とどめ置かれた状態と認識している」としている。
ただ、現実には日本に帰ってこれず、古釜布の税関で移動の自由を奪われた状態にあります。
元記事ではどのように伝えているのか?
毎日新聞の記事にある通り、これらの情報はサハリンの通信社である「サハリン・コム」が伝えているようです。
そうなれば、元記事を確かめてみなければいけないでしょう。
該当の記事を見つけました。
記事の投稿時間は2016年8月21日8時45分となっています。サハリン時間は日本の標準時より2時間早いので、こちらの午前6時45分に更新されたことになりますね。
読める範囲で内容を確認してみましょう。読みやすいように適度に改行を入れていきます。
ユジノ・クリリスク(日本名:古釜布)より。
公にされたことによると、8月20日、ユジノ・クリリスクで現金400万円(250万ルーブル)を持ち込もうとした日本人を逮捕しました。
税関は通常の業務として持ち込む現金ならびに外貨の情報の申告を求めていますが、この日本人男性の荷物の中からは400万円分の紙幣が発見されたものです。税関はこれらの紙幣を押収しました。
日本人男性はこの紙幣についての説明を拒んでいます。
情報によれば、彼はおそらく両国の漁業関係者間で合意された金を受け渡す役割を持っていたと考えられます。
日本の市民を拘束したことについての政治的背景はなく、彼は現在ユジノ・クリリスクに拘置されています。
日本の外務省の説明よりは厳しく見られている感じも受けますね……。
拘束された通訳は無事に帰れるのか?
毎日新聞の記事によれば、2000年に色丹島で一時拘束された事例はあるものの、この場合は帰国までに解放されていますので、今までにない事態と言えるでしょうね。
5月にも首脳会談が行われていますが、北方領土問題に進展はありませんでした。
今月26日には北方領土問題について協議する平和条約締結交渉が6月以来に開催される予定だったのですが……。この問題がどう響いてくるか、不透明ですね。
まさしく現代のゴローニン事件と呼ぶべきなのかもしれません。あれも始まりの舞台は国後島でした。高田屋嘉兵衛(司馬遼太郎の「菜の花の沖」で有名ですね)は無事に戻ってきましたが、こちらの事件も無事に解決に至ってほしいものです。